Note e-POWER

その他

レンタカーでNote e-POWERを借りましたので、簡単にレビューというか備忘録。

今回は千葉市-東金市-成田市をぐるっと回る感じで走ってみました。
基本的に郊外路が主体です。
想像よりe-POWERの印象が良かったので驚きました。
正直動力性能に関してはDemio 15MBより好みです。

簡単なまとめを最初に書いておきます。

良い点

  • Ecoモード or Sモードでの1ペダル運転が非常に良い。
  • 発進時/停車時にエンジンの始動/停止がなく、不快な振動がない。
    (アイドリングストップ車と比べて)
  • 加速が良い。(~100km/h)
  • 燃費が良い。

悪い点

  • ロードノイズが大きい。
  • キーンという高音(モーター駆動音)が聞こえる。
  • エンジン発電時にはさらに大きな高音が聞こえる。
  • Aピラーが太く、視界を妨げる。
  • 内装がチープ。

評価できなかった点

  • 高速走行時や高負荷時の出力がどの程度か。
    またどの程度高出力を維持できるのか。
  • ブレーキング時の挙動。

 

さて、Note e-POWERについて最初に知っておくべきことがあります。
それはe-POWER車は既存の車と違って、電気自動車であるということです。
エンジンは積んでいますが、これは発電専用なのでエンジンでタイヤを回すわけではありません。
基本的に電池で動いており、電力が必要な時にエンジンが回るのです。
アクセルの踏み具合とエンジン回転数が相関しないので最初は少し戸惑うかもしれませんが、慣れてしまえば従来のエンジン駆動車と比べて全く別物の電気自動車としての性質を楽しむことができます。

おそらくエンジン駆動車にしか乗ったことがない人には読むだけでは理解できない感覚だと思いますので(私もそうでした)、試乗することを強くお勧めします。その際はぜひEcoモードで乗ってください。

1. 動力性能

発進時の加速は1.5LのDemio 15MBと比べても全く遜色ないどころか、Noteの方がいいんじゃないですかね?これに加えて変速もないので、自分の運転技術だと間違いなくNote e-Powerの方が速いです。
100km/hまでしか出せていませんが、そこまでの加速は問題なし。60→80km/hの加速も非常にスムーズで、一般道での追越しで困ることはないでしょう。急加速時にはエンジンが回転するので五月蠅いのですが、エンジンの回転を待たずに出力がくるので不思議な感じです。CVTでエンジン音がするのに加速が遅れてくる感じの逆バージョンです。
ただ、モーターの回転数上限から最高速度は140-160km/hほどで限界となるようです。高速域のスポーツ走行には向かないですし、おそらく140km/h以上では十分な加速も得られないだろうと思います。軽四でも140km/hは出せるので、中低速域のみで使えというメーカーの意思を感じます。
また高負荷での走行が持続する時には電池が枯渇するので、モーター出力の109PSではなく、エンジン出力の79PSが上限となります。エンジン出力から変換ロスもあるでしょうからそうなった場合にどの程度性能が落ちるのかも気になります。ただ街乗り+αでは全く問題ないでしょう。

足回りはDemioよりは間違いなく硬く、Fitと同等~やや硬いような(Fitもレンタカーだったので記憶が曖昧)印象です。かといって突き上げも不快ではありません。

ブレーキに関しては評価できず。Eco modeのアクセルオフはかなり強力なブレーキが効くので、急ブレーキを踏むようなシチュエーションでないと踏む必要がありません。というかアクセルオフで急ブレーキのようなブレーキが掛かるので、アクセルを踏み足さないと効きすぎます。gentleな運転をしたいならEco modeじゃなくてS modeの方がよいかも。
この回生ブレーキのおかげでブレーキを踏まずに済むのですが、安全面からは少し不安です。というのも減速~停車までアクセルペダルに足を置いているので、急ブレーキの際に踏みかえる必要があります。急ブレーキ時は1秒が貴重ですから、常時Aペダルに足が乗ってる状態というは好ましくないような気がします。
かといってフットブレーキメインにするのは走ると燃費が悪いし、Normal modeで走るのはせっかくの電気自動車の良さを消してしまう。悩ましいところです。

安全性からは回生ブレーキにやや否定的ではありますが、極めて繊細なブレーキコントロールが可能な点は非常に高く評価しています。Aペダルの感度が非常に高く、AT車でカックンとなりがちな停車時も気持ちよく決めることができます。

2. 内装

チープです。所詮コンパクトカー。
Demioの最低グレードの方が内装面は上です。

電気自動車ですからタコメーターはないんですが、まあシンプルです。充電や発電ゲージがあるんですが、小さくて見づらい。(見る必要もないんですがね)

シートはホールド感があってまずまず。

センターコンソールはプラスチック感満載です。ボタン類もお世辞にも使いやすいとは言いにくい。レンタカーなので最低Gradeでしょうが、ハンドルスイッチ類は付いていません。

シフトレバーは近代的な感じ。右上がReverseで、右下がDriveです。
AT車のシフトとも異なり、MTとも当然異なります。
慣れたら問題ないのでしょうが、Reverseは左上にして欲しかったなぁ。
画面下端にS modeとEco modeの切替スイッチがあります。これはシフトレバーに取り込めばよかったのに、微妙に押しにくい位置にあります。R, N, Dの順ではなく、Eco mode, D, S modeにして、RとNは左に移動させてほしい。BモードはEco modeがあるので不要でしょ。
ただ、一度Eco modeに入れると、エンジンを切ってもEco modeが維持されているのは良かったです。

視野に関してはDemioと同等で✖です。
Aピラーが太く、右コーナーで対向車が見えません。

3. 静穏性

発進時、停車時はエンジンが掛からないので、とても静かです。不快な振動も出ませんので、非常にGood!エンジンが掛かるタイミングも静かで、ぼーっとしてると気付けません。

また定速回転時のエンジン音は窓を閉めていれば非常に静かですが、急加速時などはエンジンの回転数に比例してうるさくなります。発進時等はエンジンが動かないことも相まって、相対的にうるさく聞こえます。Demioも加速時はうるさいので同等だとは思います。
窓を開けているとエンジン駆動時にはモーターの駆動音と思われるキーンという高音が聞こえます。エンジン始動していなくても動力伝達中はモーター駆動音のキーンが少し聞こえているのですが、エンジンがかかると音量が大きくなります。ただ、この音は窓を閉めると聞こえにくくなるので(ほぼ聞こえない)ので、窓を開けて走る人にしかわからないと思います。

またロードノイズが大きい。足回りが硬いせいもあるのでしょうが、褒められたもんじゃないです。

4. 燃費

今回の走行距離は129km
レンタカーなので返却時に給油しましたが、わずか4.3Lでした。
実に燃費30km/L。
郊外が主体とはいえ、非常にいい数字でした。
登録時から1年6か月、約4万kmを走った個体でこれだけ燃費が出てれば優秀でしょう。

まとめ

電気自動車として静かな発進ができ、日常走行ではアクセルのレスポンスも良い。
Aペダルの調整が絶妙で、1ペダルでのドライビングが自在にできて、とても楽しい。
コントロールが簡単で、とてもスムーズに運転ができるので、自分の運転が1段上手になったかのように錯覚します。Demioより先に知っていれば、こっちを選んだかもしれない。

一方で他の車と違うというのは安全上デメリットだと思います。Eco modeだとブレーキランプが点かずに減速する機会が多いのではないでしょうか。また成田-千葉間をブレーキペダルに足を置くことなく走行できたので、楽ではありますが万が一の時に止まれるかどうか自信が持てません。

購入に値する車だと思います。
Noteの流用ではなく、専用設計を期待したい。

 

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