カルソニックカンセイ7248 TOBについて

投資話

発表からかなり経っていますが、まとめておきます。

11月22日にKKRからカルソニックカンセイのTOBの発表がありました。
個人的には日産がカルソニックを手放すという観測があったころから目をつけてはいたのですが、買うまでには至らずあれよあれよと株価が上がって買えなくなりました。

現状を簡単にまとめると、

  • 発行済み株式273,241,631株 – 自己株式5,359,354株 = 買い付け対象株式267,882,277株
  • 日産自動車保有株式111,163,990株(41.5%)については合意済み。
  • 全株式の取得を目指す。
  • TOB買い付け予定数の下限は2/3に相当する178,588,185株。上限なし。
    つまり日産保有分を除いて67,424,195株が必要。
  • TOB成立後は完全子会社化し、上場廃止となる。
  • 公開買付価格は1860円
  • TOB成立時は570円を上限とする特別配当を行うが、その場合TOB価格から配当額を控除した額が買付価格となる。
  • TOB開始は2017年2月下旬

12/7付の株価は1745円で、1860円のTOB価格からば6%以上ディスカウントされている。
現在の株価で購入した場合、特別配当570円から20%(114円)は配当控除され、受取配当金456円。
1745円 – (1860円-570円) = 売却損455円 が計上される。
この売却損455円はH29年度末に特別配当と損益通算して確定申告することで、91円の還付を受け取ることができる。

すなわち、購入によって1745円を拘束され、配当日(おそらく2-3月吉日)に配当金456円を受け取る。
ついでTOB開始の2月下旬に1290円を受け取る。
最後に1年以上開けて確定申告にて91円の還付を受け取る。

つまり現在の価格であれば12月から2月の3か月程度の資金の拘束が発生するが、1年後には確実に5%の利益を手にすることができる。
現在より高い価格であればTOB価格+控除後の配当額の合計は投資金額を下回るため、確定申告まで余剰な資金が拘束され続けることになる。
この辺りが原因でサヤ寄せが遅いのではないかと思っている。
資金拘束を嫌っての値動きであれば1746円が目途で、あとは大きな下げは起こらないんじゃないでしょうか。

TOBそのものは日産が合意している時点で成立は問題ないと思う。
一方的なドル高やトランプ相場も年明けからは崩れ始めるのではないかと思っているので、一時的な資金の逃避先としてはいい選択枝では。

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