投資の格言に”落ちてくるナイフはつかむな”というのがある。
株価の下落トレンドが発生している時に割安と思って飛びつくと痛い目を見るよ、という趣旨です。
しかし私は落ちてくるナイフが好きだ。大好きだ。
2012年に投資を始めた時に、最初に選んだ銘柄は電力会社だった。東日本大震災からの原発問題で下落し続ける中で、関西電力と九州電力と中国電力の株を買った。東京電力と東北電力以外は被災もしていないため、株式投資を始めたばかりの素人からみても異常な割安価格だった。
その後も無借金経営で潰れるはずがないと思い込んでスカイマークを落下中に拾ったり(民事再生されたが幸いにも損失は避けられた)、突如として減配を発表し1/3以下に株価急落したKinder Morganを初めての米国株に選んだりした。昨年ではマイナス金利で市場から見放された銀行株(みずほFG等々)を買ったり、鴻海に買収されることが決定した直後にシャープ株を買ったり、特に理由もなく下げ続けているように見えたヤマハ発動機を買ったりした。振り返って思うに、これらの取引で上げた利益はIncome Gain狙いで行っている投資よりはるかに利益が大きい。そして長期保有を前提とすればリスクは考えているより遥かに低い(スカイマークは例外として)。
急落する銘柄に何でもかんでも手を出すのであればリスクは極めて高い。色んなナイフが毎日のように落下しているのだから、掴むナイフは選べばいいのだ。長期保有できるような理由のあるナイフを掴む。上記の銘柄で言えば、電力会社は東電による風評被害の解消・原発再稼働という展望があった。スカイマークも無借金だったし、Kinder Morganは減配に至っただけで収益構造には何ら変化がなかった。シャープに至っては鴻海買収確定で業績向上が明確になったにも関わらず、140円から100円までさらに株価は下落した。
掴み方も考慮した方がいい。一度に全力で掴むのではなく、複数回に分けて掴む。月をまたいで複数回に分けるとか、新たなイベントの発生を待って買増すのが望ましい。またいくら魅力的に見えても、スカイマークの例のように投資家からは予想のしようもない倒産があるので、資金100%突っ込むのはやめた方がいい(落ちるナイフに限らないけど)。
今月、私は新たな落ちるナイフを見つけた。月をまたいで買い下がって行こうと思っていたが、材料出尽くした感があるので予定の資産を投下した。あとは祈るのみ。
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