つい先日下方修正を出したので、概要は分かっていましたが詳細が出ましたね。
数字は前回の記事を確認ください。
2019年 減益要因
中国・・・ SNA(中国子会社:上海)からの移管に伴う生産性低下
北米・・・ 日系メーカーセダン販売不振によるパワーステアリングホース受注減
欧州・・・ NUK(英国子会社)生産停止に伴う生産移管に係るトラブル等
2019年に関して言えば、中国事業の引越しがあったり、UKので生産停止があったりと動きが多かったです。ベトナムやインドネシアでも設備増やしたんでしたっけ?稼働直後はどうしても生産性が下がるので今年の減益は仕方ない部分も大きいと思います。
利益ベースでみると中国での影響が大きいので他は無視してよいレベルだと思います。
ただ、北米に関しては売上規模がそこそこ大きいので現在の縮小傾向が持続すると全体の足を引っ張りかねません。
2020年 予想
売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 | |
2019年 | 61073 | 6219 | 6243 | 2748 |
2020年 | 62000 | 6300 | 6300 | 3300 |
2020年予想は今期と同程度の数字で出してきました。
上記の予想には中国での固定資産売却益については見込んでいないとのことです。
ドル円レートは1ドル107円を前提としているそうですが、これはニチリンにしてはやや楽観的な気がします。今までだともっと安全マージンを取って105円で予想している気がします。2020年予想を出すにあたっての減収減益予想とならないように配慮したようにも感じます。
個人的には2019年のIRなどを見ていると、株主を意識した行動をとり始めているように感じるので、この今期予想を今までと同じように受け止めるのは危険な香りがします。かつてのニチリンのIRのイメージは、プラスの変動要因(特益等)は限りなく無視しマイナスの変動要因や為替は厳しめに見積もって出してくるイメージでした。今年の決算からの印象だと少し甘めの見積もりをしている気がします。
とはいえ2019年の減収要因の大半は2020年には改善しているはずですし、なにより固定資産売却益が乗ってくるので営業利益や純利益は間違いなく2019年よりは良い数字になると思います。
懸念があるとすれば売上高で、これは現在流行している新型コロナウイルスの影響による自動車の生産停止で影響が大きくなりかねません。
まとめ
前期比で大きな減益となったのは残念でしたが、工場移転等に伴う一時要因が大きそうだったのはよかったです。
2020年の決算で目安にしたいのは2019年4Qの数字です。
期毎の最低でもこの数字を達成してもらいたいですね。
売上高 | 営業利益 | |
2019年4Q | 15311 | 1294 |
4Q×4 | 61244 | 5176 |
これを達成してもニチリンが出した2020年予想には届きませんが、これぐらいの数字が出ていれば特益考慮すれば純益で33億円というのは現実的な気がします。純益33億円というのはEPSで言えば230円くらいなので、配当性向30%でも数円増配できそうです。
第1四半期までの目安としては、株価が1600円を軸に±400円くらいの振れ幅でしょうか。
実力はEPS350円くらいの株だと思っているので3000円くらいまで行って欲しいですが、ちょっと今期の決算が見栄えしないので望み薄です。株価が1500円を割るようなら少しずつ買い増していきます。
なお私は持ち株の90%を1月中にいったん処分し、残りも下方修正発表の翌日に1単元を残して売切っております。
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