前回か空売りについて、情報元が3種類あると書きました。
信用取引終末残高
日証金取引残高
東証が公表する空売り残高
の3つです。
が、実はもう一つ空売り残高を推定する指標がありました。
日本証券業協会が公表している株券等賃借取引状況です。
これは日証業の会員が貸し借りしている株式の週末残高を銘柄別にも公表しています。
あくまで貸付残高なので、これが既に空売りされているのか、これから売られるのか、もしくは貸されただけで返却されるのかはわかりませんが、売り圧力になったorなりうる数量を推定できます。
直近(~10/13)の新日本電工を例にとりますと、12,211,322株の貸付残高があります。
これに対し、モルガンスタンレー、メリルリンチ、ドイツ銀行、ART internationalの空売り残高合計は6,016,271株です。
撤退したクレディスイスやJPモルガンなどの残高もいくらかは残っているとしても、かなり大きな開きがあります。各社が空売り余力を残しているか、ほかにも空売りに参加しているファンドがあると類推されます。仮に全て売られた後だと仮定すると、公表される空売り残高の約2倍の潜在的な買い圧力が存在することになり、踏み上げることができれば大きな株価の上昇が期待できます。
あまり株券等賃借取引状況は使われない指標ではありますが、上の3指標より数字が巨大なことが多く、重要な指標だと思います。空売りについて調べるのなら、是非とも知っておきたい指標です。
参考文献
http://www.saa.or.jp/journal/prize/pdf/2009uno.pdf
図表2-1が分かりやすいと思います。
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