6786 RVH その3

銘柄検討

平成30年3月期、第一四半期決算を踏まえて、再度評価してみます。
論点は不二ビューティの買収に価値があったのかという点について絞ります。

不二ビューティの買収は80億程度ののれんを生んでおり、これを20年で償却すると年4億です。決算でのRVHの主張では、不二ビューティは平成30年3月期はのれんと相殺して利益貢献はしない、としています。逆に言えば年4億の利益は出す、という意味です。つまり今四半期は1億の利益の予定。

今回の第一四半期決算では、売上高の伸びが前四半期と比べて34億の増加。ミュゼブランドの伸び + 新ブランド コロリーの受注高、そして今期から連結される不二ビューティの売上げです。参考までに不二ビューティーのH29年9月期の決算では売上は約120億ですから、素直に30億が不二ビューティの貢献分と考えていいと思います。

販管費の伸びが前四半期と比べて24億増加。内訳は人件費12億、地代家賃3億、その他7億(カード手数料等)など。おそらく人件費と地代家賃は不二ビューティのものでしょう。ちなみに販管費に広告宣伝費が23億近く計上されており、その区分けが開示されていないため詳細が分かりませんが、前期のミュゼの広告費は平均して月5億程度であることを考えると、店舗数でミュゼの半数を上回る不二ビューティなら控えめに見ても月2億以上は掛かっていると思います。

つまり不二ビューティは
売上30億 = 人件費12億 + 家賃3億 + 広告費6億 + その他経費 8億 + 営業利益1億

ちなみに前期のミュゼは
売上83億 = 人件費26億 + 家賃6億 + 広告費16億 + その他経費 23億 + 営業利益12億

厳密には比べる四半期で大きく変わる数字ですが、不二ビューティは人件費や家賃の比率が高く、ミュゼより採算が悪い部門です。仮にミュゼと同等の利益率まで改善させたとして(ミュゼと不二ビューティでは方向性が違うため不可能だと思うが)、四半期に営業利益4億が限界だと思われる。

ミュゼの買収が235万株のみで行われたのに対し、不二ビューティは270万株+54億(不動産)です。
ミュゼは役務消化に伴うのれんが発生しますが、それを差し引いてもミュゼの1/3以下の貢献度の会社をミュゼより大枚叩いて買ったのは正当化されるんでしょうか。買収による希薄化のため、今期の予想EPSは前期の6-9割程度になっています。不二ビューティの成長ビジョンを明確にできなければ、たかの友梨に不動産をプレゼントしただけの結果に終わります。

来期に不二ビューティの利益を倍増できるのであればギリギリ及第点、そうでなければ問題外だと思います。ということで個人的には不信感が払拭されないので、まだRVHを買う気になりません。次回の決算を見て、また判断しましょう。

 

 

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