音楽生成AIはかなり進歩した。人が作った楽曲と、もう私には区別ができない。ボーカルもかなり自然で、特に英語の場合は私の母語でないこともありまったくわからない。日本語の場合は母語であるがゆえに、多少の不自然さが残れば気づくこともある。が、それでもクオリティはかなり上がっている。
音楽としてのクオリティが上がる一方で面白みが欠けているようにも感じている。初期の画像生成AIは、人間が描かないような物と物が融合した、何を描いているのかよくわからない謎の描画をすることが多々あった。あのような人には描けないカオスな感じは、実はAIに求めている驚きのひとつでもある。
同じことが音楽生成AIにも言える。音楽の質が上がって人間の作る曲と同じになっていくということは、逆に新鮮味を失っているということでもある。どこかで聞いたことのあるようなメロディーや歌詞。音もいたって普通のバンドサウンドで、ギターやピアノなど、よくある音が流れてくる。これはこれでいいのだが、私はある種の「聞いたことのない音楽」や驚きを求めている。というか、AIにはそれを期待している部分が多分にある。
初期の音楽生成AIはかなり謎の音を出してくることもあった。音がなぜか後半になるにつれ自然とギターの音に変わっていったり、普通の音楽では聞かれないような音が鳴っていた。クオリティとしては低いという評価になるのだろうが、「今までにない」という意味では私にとって高評価なポイントでもある。
これと似た話なのだが、たとえばカントリーの新しい曲を作ろうとしたとき、音楽生成AIに任せるとカントリーっぽい歌い方や声質がどうしても強く反映されてしまう。ハードロックやヘビーメタル、ジャズのような歌い方をカントリーの曲調で試みたいと思っても、なかなか再現ができない。カントリーに引っ張られまくるのだ。AIの真価は創造性にあると思っているので、普通はあり得ない組み合わせを生み出せることも価値のひとつではないだろうか。
まあその場合、作品として成立しないことが多く、商業的に音楽を作っている人たちからすると何の価値もないという判断になるのかもしれない。私は音楽家ではないので、正直なところ適当なプロンプトで生成されたものを聴くことぐらいしかできない。なんとか打開する方法はないものだろうか。私は音楽生成AIの海をさまよっている。






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