Blue Planet – works

銘柄検討

銘柄検討その10
今回は非上場企業です。

主要株主に名を連ねている以下の企業が関連です。

ANAホールディングス株式会社
第一生命保険株式会社
損害保険ジャパン日本興亜株式会社
株式会社電通
株式会社電通国際情報サービス
大興電子通信株式会社
PCIホールディングス株式会社
株式会社ジェイティービー(JTB)
株式会社フェイス
吉本興業株式会社

今回は非上場だけに詳細が調べづらい + BPWの主要製品は未発売なので、ざっくりと調べた内容を羅列するだけになります。Business Insiderさんの記事が分かりやすいので確認ください。

https://www.businessinsider.jp/post-34877
https://www.businessinsider.jp/post-102955

  1. Blue Planet – worksとは?
    端的に言えば、ウイルス対策ソフト屋さんです。2017年4月に米ブルーリッジネットワークス社からAppGuard事業を買収し本格的に稼働することになりました。
  2. 他社との違い、強みは?
    ブラックリスト型が多いウイルス対策ソフトとは違い、ホワイトリスト型のような管理の仕方に特徴。「要塞化」と言われる技術で、許可のある動作しか許容しないため、そもそもウイルスを起動させない。このためウイルスを敢えて特定する必要もなく、面倒な更新作業やスキャンといった作業が不要。
    またソフトのサイズも1MB未満と小さく、IoT分野への応用も期待される。
  3. 実績
    米国の政府機関での長年の実績があり、過去3年連続でGSN(Global Security News)Homeland Security Awardを受賞。
    アメリカ陸軍のNETCOMよりCertificate of Networthinessの認証を取得。

    既存事業なので現在も販売は継続しているはずだが、規模などはBPw社のホームページからはわからない。(ブルーリッジ社までは調べてません)

  4. 資金調達額
    2017年4月と8月の2回にわたって、合計110億の資金調達。
    ブルーリッジからの事業買収に関して、46.7億円+22億円分の新株発行。
  5. AppGuardの販売パートナー
    電通、IT guard、PCI HD、AppGuard Marketing

上記が事実として確認できることです。
ここからは私が気になる点と妄想です。

  1. AppGuard事業がなぜBPw社に移ったのか?
    もともと実績のある事業であり、ブルーリッジ社が手放す理由がよくわからない。個別に「要塞化」する手間が大きかったものが、BPw社に渡ったことで「要塞化」の手順が格段に進歩したのか?買収前後でどのように変わったのかが分からない。
  2. 「要塞化」の強み
    現状はライバルが不在のように思える。(調査不足かもしれません)
    そもそも業務用のPCは実行内容が限られることから、行える動作を絞り込むAppGuardの方がシステム的にも既存のウイルス対策ソフトより優れている。
  3. 採算性
    AppGuard契約時と年間利用料のFeeビジネスと思われるので、既存のSymantecなどのパイを奪っていくことができる。Fee部分に関してはデータ更新等もないためほぼ100%利益になるはずで、極めて高い利益率になるはずだ。
    上記1と重なるがBPw社でどういう進歩があったのかわからないが、2018年2月からAppGuard Mobileの提供が始まることから、導入時の手間(要塞化の手順)はかなりの部分が汎用化・簡略化できているのだろう。
  4. 投資妙味
    大興電子通信が株価1340円で時価総額が約170億
    PCI HDが株価3430円で時価総額が約130億
    その他は時価総額が大きすぎてインパクトが小さい。

    BPwが将来有望であることは間違いないが、販売の窓口がどれほど利益を採れるのかが推定しにくい。販社に名前があるAppGuard Marketingは大興が66.7%所有の子会社で、BPwも11.1%出資しているので事実上はここが門戸になりそう。大興がどのくらいの割合でBPwに出資しているのか知りたい。大興やPCI HDは営業利益5億ぽっちなので、BPwからの配当があれば大きなインパクトだ。
    ※参考までにSymantecの売上が年間4000億程度。この1割でも取れば上記の2社に取ってはインパクトがでかい。

大興を買ってみたいけど、既に大きく上昇しており今から買うのは勇気がいる。万が一、落ちてくることがあれば拾ってみたい。

コメント

  1. Romeo says:

    ブルーリッジ社が手放す理由は、Windows10から同じ機能が実装されているからではないでしょうか。
    Windows10への移行が進めば用無しになるから。

    • kalugo says:

      返事が遅くなりました。

      知らなかったので調べてみましたがDevice Guardのことですか?
      確かに機能的にはこれで十分な気もしますね。

      セキュリティ分野に詳しくはないのですが、AppGuard側からの説明で強調されているのが”ポリシーの継承”という点ではないかと思います。ただ、これがDeviceGuardと比べて、どの程度の優位性があるのか私には分からないです。

      商業的にAppGuardが成功するという確信は持てなくなりましたが、名だたる企業が出資していることから大企業にとってはある程度の需要があるのでしょう。